リーダー行動50の紹介 No.12「合意形成」

■はじめに

私ども株式会社トレイクでは、管理者や職場リーダーに必要な50の行動(リーダー行動50)を提唱し、管理者・リーダーシップ向けの研修やマネジメント力に関する診断・テストなどを通じて、リーダー行動の強化を支援しています。ここでは「リーダー行動50」を一つずつ紹介します。


No.12「合意形成」 ~満足する一致点をつくる~

 

 

 

■「合意形成」とは

合意形成とは、本音や価値観を明らかにして、全員が満足できる一致点をつくること。
チームが一体感を高めて活動するためには、様々な考えや価値観を持つメンバーが満足できる一致点をつくる合意を形成します。リーダーは、合意を形成する姿勢を持ち、コンフリクト(葛藤・対立)をうまく処理して、知恵を出し合い新しい結論を創造します

 

■「合意形成」のチカラを高めるには?

1.合意を形成する姿勢をもっている

  • 価値観が多様化するなか、リーダーの考えを押し付けてもメンバーはなかなか納得しない
  • 発言できる雰囲気をつくり、意見を受けとめ、一緒に最適解を考えつつ、合意を形成する
  • 合意したことを守る姿勢も大切

2.コンフリクト(葛藤・対立)をうまく処理している

  • メンバーの話の内容・態度・表情などからコンフリクトを察知する
  • 考え方や価値観を探り、共通点を見つけ、全員が満足できるWin-Winの一致点を見つける
  • 一致点をもとに、譲れる点・譲れない点・一部譲れる点を整理する

3.知恵を出し合い新しい結論を創造している

  • 実現性は後回しにして、まず、全員が満足できる究極の理想像を描く
  • 次に、予算・時間・人などの制約を加味して、理想像のレベルを下げる(現実化する)
  • その理想像を実現できるよう、全員で知恵を出し、整理して、結論を創り出す

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斎田真一(かえる先生)

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■関連リンク

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『つくってみよう!自分流リーダーシップ』の発売について

・調査

「リーダー行動50についての調査と考察(1)」

「リーダー行動50についての調査と考察(2)

「問題発見・解決力の調査と考察(1)~」

「困難な状況を切り拓くリーダー行動の調査と考察(1)~」

・研修

「職場リーダーのための職場活性化トレーニング」

「”マネジメント見えるカード”を使った研修」

リーダー行動50の紹介 No.11「説得」

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No.11「説得」 ~相手の意思を尊重しつつ相手を変える~

 

 

 

■「説得」とは

説得とは、相手の自由意思を尊重しつつ、こちらが望む通りに相手の行動を変える働きかけのこと。
利害が対立する場合、こちらが望んだ通りに行動してもらうために、説得を試みます。リーダーは、説得する目標と計画を立て、相手の自由意思を尊重しつつ、粘り強く説得します。

 

■「説得」のチカラを高めるには?

1.説得する目標と計画を立てている

  • 説得前は「誰に、いつまでに、どんな行動をしてもらいたいか」といった目標を設定する
  • 「どの場面で、どのような働きかけをするか」といった説得の行動計画も立案する
  • 目標には余裕をもち、計画も柔軟に変更する

2.相手の自由意思を尊重している

  • 相手には相手なりのものの見方・考え方がある
  • 説得に従うか否かの選択権は相手にあることを認識し、相手の自由意思を尊重する
  • 決定や行動を強要するのではなく、前提となるものの見方・考え方を変えるようにする

3.粘り強く説得している

  • 相手が拒絶したら粘り強く説得する。相手の言い分をよく聞き、こちらの話し方を変える
  • ときには、外堀を埋めるように周囲から変える
  • 誠実な態度、あきらめない姿勢や情熱が伝わり、相手の心を動かす場合もある

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リーダー行動50の紹介 No.10「説明」

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No.10「説明」 ~相手に理解してもらう~

 

 

 

■「説明」とは

説明とは、相手に事実や考えなどを伝えて、理解してもらうこと。
適切な説明は、相手の理解度・納得度を高め、協力が得られやすくなります。リーダーは、説明する相手と順番を考え、事実と考えをわけて整理し、相手が理解しやすい方法で説明します。

 

■「説明」のチカラを高めるには?

1.説明する相手と順番が適切である

  • 組織のルールや力関係などによって、説明する相手と順番は異なる
  • <例>上司から承諾を得てからメンバーに説明/メンバーから理解を得てから上司に説明
  • 権限者・影響力者・追随者などを見極めて、相手と順番を柔軟に考える

2.事実と考えをわけて説明している

  • 事実やデータをもとに客観的な状況を説明することは、メンバーの理解を得るために大切
  • 一方、事実やデータばかり並べられても、気持ちはわき立ちにくい
  • どうありたいか、どうしたいかといったリーダーなりの考えを情熱もまじえて説明する

3.相手が理解しやすい方法で説明している

  • メンバーの理解度にあわせて説明の方法(文章、図表、口頭など)を工夫する
  • 段階的に説明することを意識する
  • 説明中は、ときどき相手の理解度を確認する

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リーダー行動50の紹介 No.09「前向き」

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No.09「前向き」 ~活力のもととなる~

 

 

 

■「前向き」とは

前向きとは、今よりもさらに良くしようという気持ちや考えのこと。
リーダーの前向きさは、チームの活力のもととなり、最後まであきらめない気持ちになります。リーダーは、物事をプラスにもマイナスにも柔軟にとらえ、自分たちならできるという気持ちと、強い願望や責任感を持ちます。

 

■「前向き」のチカラを高めるには?

1.物事をプラスにもマイナスにも柔軟にとらえることができる

  • 例えば、納期が迫る中、「まだ大丈夫」とプラスにとらえて気持ちを落ち着かせる
  • 一方、「もう時間がない」とマイナスにもとらえたえうで、打ち手を考える
  • マイナスにとらえる心理的な要因をつかんで、改善に努める

2.自分たちならできるという気持ちをもっている

  • 「自分たちならできる!」という気持ちは、どこから生まれるか考える
  • <例>成功体験、実績、暗示と自信、必要な資源・方法、信頼と協力、気力・体力の充実
  • リーダーはこうした気持ちが芽生えるよう、職場の環境を整える

3.強い願望や責任感をもっている

  • 願望や責任感は、何かしらの欲求の裏返し
  • リーダーは、自身やメンバーの欲求を刺激し、願望や責任感へと生まれ変わらせる
  • <例>役に立ちたい、自分らしくありたい、やりとげたい、一緒にいたい、褒められたい

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リーダー行動50の紹介 No.08「上司の補佐」

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No.08「上司の補佐」 ~マネジメントをサポートする~

 

 

 

■「上司の補佐」とは

上司の補佐とは、上司の役割を助け、補うこと。
組織全体を良くするために、自チームの仕事をやりやすくするために、職場リーダーは上司を補佐します。上司と同じ目線になり、上司が補佐して欲しいことを理解し、意思決定に有益な情報を提供して、上司ができないことを代わりに行います。

 

■「上司の補佐」のチカラを高めるには?

1.上司が補佐して欲しいことを理解している

  • 上司と話し合い、また、上司の仕事を観察して、補佐して欲しいことを理解する
  • 上司は職場をマネジメントすることから、補佐するリーダーもマネジメントを理解する
  • 具体的には、目標管理・問題解決・部下育成・職場づくりのチカラを高め、補佐する

2.上司の意思決定に有益な情報を提供している

  • 上司は、組織の方向性にそって意思決定するし、上司のそのまた上司の意向も気になる
  • そこで、リーダーも、経営計画や上層部の意向などを理解して、関連する情報を提供する
  • また、市場・技術の動向やメンバーの活動状況など現場ならではの情報も提供する

3.上司ができないことを代わりに行っている

  • 上司が不在、または上司が苦手とすることがあれば、上司とリーダーシップを分け合う
  • 例えば、進捗管理・問題解決・部下育成・勤怠管理などを分担・代行する
  • ただし、権限を越えた行為をしないよう注意する

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リーダー行動50の紹介 No.07「取りまとめ」

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No.07「取りまとめ」 ~情報を集約したり心をひとつにする~

 

 

 

■「取りまとめ」とは

取りまとめとは、チーム内外の情報を集約したり、メンバーの心をひとつにしたりすること。
チーム内外の情報は意思決定に役立ちますし、メンバーの心の集まりは活性化につながります。リーダーは、チーム内外の情報とメンバーの心をひとつに取りまとめ、活動の方向性を考えます。

 

■「取りまとめ」のチカラを高めるには?

1.チーム内外の情報を取りまとめている

  • チームの外部情報について、組織の方針、関連部門からの要請、市場の動向などを集める
  • チームの内部情報について、メンバーの活動状況や意見・要望などを集める
  • 取りまとめる項目を予め決めたうえで、情報を効率的に収集・整理する

2.メンバーの心をひとつに取りまとめている

  • 魅力的なビジョンや目標をメンバーと共有する
  • メンバーの考えにも耳を傾けつつ合意を形成する
  • メンバーから信頼を集めているキーパーソンの力も借りる

3.取りまとめたことをもとに活動の方向性を考えている

  • 取りまとめたことから、何が言えるかを意味づけ、何をすべきかの方向性を考える
  • 方向性実現の具体策を考えるときは、さらに情報を取りまとめる
  • 方向性と具体策が定まっていれば、収集する範囲を絞ることができる

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リーダー行動50の紹介 No.06「率先垂範」

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No.06「率先垂範」 ~自ら示して方向づける~

 

 

 

■「率先垂範」とは

率先垂範とは、人の先頭に立って行動して、模範を示すこと。
リーダーが先頭に立って手本を見せれば、リーダーの価値観や考え方を示し、チームを方向づけることができますし、メンバーの納得感と能力も高まります。リーダーは、日ごろから率先行動を心がけ、率先行動の目的を明確にして、タイミングと量を調整します。

 

■「率先垂範」のチカラを高めるには?

1.率先して行動しようと心がけている

  • メンバーは、リーダーの一挙手一投足を見て、信頼してから行動する
  • メンバーからの信頼されるためにも率先して行動する
  • 率先して仕事に取り組めば、仕事のコツがつかめ生きた指導に役立つ

2.率先行動の目的が明確である

  • 過剰な率先行動すると、チーム管理の時間がとれない
  • そこで率先行動の目的(指導、動機づけ、方針浸透など)を明確にする
  • 過剰な率先行動は控え、チームを管理する時間をとる

3.率先行動のタイミングと量を調整している

  • 過剰な率先行動はメンバーの主体性や学習機会を奪うことにも
  • 率先行動のタイミングと量(いつ、どれくらい)を調整する
  • 「以降はたのむね」と率先行動の終結を宣言し、自覚をもたせる

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リーダー行動50の紹介 No.05「任せる」

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No.05「任せる」 ~メンバーの主体性を高め成長させる~

 

 

 

■「任せる」とは

任せるとは、仕事の判断や実施を、メンバーの思うようにさせること。

リーダーの手が回らないとき、メンバーの主体性を高め成長させたいときは、権限を委譲しないまでも、仕事の判断や実施をメンバーに任せます。リーダーは、任せる目的、相手、内容を明確にして、任せた相手とのコミュニケーションを欠かさないようにします。

 

■「任せる」のチカラを高めるには?

1.任せる目的が明確である

  • 任せる目的を明確にし、メンバーやチームの成果と成長につなげる
  • 例えば、メンバーの能力・意欲・主体性を引き出すため
  • 例えば、チームの主体的・創造性を引き出すため

2.任せる相手と内容が明確である

  • 任せる相手の能力・意欲・信頼度を見極める
  • 任せる内容は、別工程へ(職務拡大)や企画から実行まで(職務充実)
  • 任せることになったら、目的・内容を説明して動機づける

3.任せる相手と十分にコミュニケーションをとっている

  • 任せる前は、仕事の位置づけと重要性を説明する
  • 任せている最中は、進捗を報告させ、相談にのる
  • 任せた後は、結果と活動プロセスを報告させ、達成度を一緒に確認する

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リーダー行動50の紹介 No.04「決断」

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No.04「決断」 ~資源を集中させる~

 

 

 

■「決断」とは

決断とは、いくつかの選択肢の中から意思決定して、他の選択肢を断つこと。
決断は、他の選択肢を断ち、一つまたはごく少数を選ぶことにより、資源を集中させることができます。リーダーは、いくつかの選択肢を用意し、合理的に決断して、決断によって発生するリスクを管理します。

■「決断」のチカラを高めるには?

1.予めいくつかの選択肢を用意している

  • 多角的に考えたり、上司やメンバーと相談したりして、予めいくつかの選択肢を用意する
  • その際、初めから答えありきで選択肢を用意していないかに注意する
  • 選択肢を用意する段階でメンバーを参画させれば、決断後の反発を減らすことになる
2.合理的に決断している
  • 決断するときは、明確な基準を持ち、情報を多方面から収集して、合理的に決断する
  • 基準には、組織の方向性・目標・約束事などがある
  • 収集する情報は、事実やデータを基本として、メリット・デメリットの両面から多面的に
  • 決断した結果と根拠は、メンバーにわかりやすく説明する
3.決断によって発生するリスクを管理している
  • 決断すると、一時的に生産性が低下したり、メンバーの反発が生じたりするリスクがある
  • 予め、決断によるリスクを想定し、予防策を講じる
  • それでもリスクが発生したら、粘り強くメンバーを説得し、あきらめずにやり遂げる

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リーダー行動50の紹介 No.03「権限の行使」

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No.03「権限の行使」 ~迅速で柔軟な活動に生かす~

 

 

 

■「権限の行使」とは

権限の行使とは、決定や行動について与えられる権利を使うこと。
チームが迅速かつ柔軟に活動するためには、組織がもつ力である権限が必要です。リーダーは、自分にどのような権限があるかを理解し、迅速・柔軟なチーム活動のために権限を行使して、権限委譲をうまく利用します。

■「権限の行使」のチカラを高めるには?

1.自分にどのような権限があるかを理解している

  • 組織から公式に与えらる場合は、権限規程を確認する
  • 権限規程がわからないときや判断に迷うときは、上司に相談する
  • 上司から非公式に権限を与えられる場合は、認識違いや越権行為を防ぐため、上司と権限の範囲を確認する。
2.迅速・柔軟なチーム活動のために権限を行使している
  • 現場が迅速に判断・行動できるよう、リーダーの裁量が増えている
  • 現場が柔軟に活動できるよう、メンバーが創意工夫できる余地も広がっている
  • リーダーは、迅速・柔軟なチーム活動のために、目標設定権・計画立案権・指揮命令権・活動修正権などを行使する
3.権限の委譲をうまく利用している
  • チームが迅速・柔軟に活動する必要があるときは、上司に相談して権限を委譲してもらう
  • メンバーの自律性や創造性を高めたいときは、メンバーに権限を委譲する
  • 権限を委譲しても、無関心や過干渉にならないよう注意する
  • 委譲したメンバーと権限の範囲を確認し、動機づけて、報連相をしっかり行わせる

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