リーダー行動50の紹介 No.40「OJTの評価」

■はじめに

私ども株式会社トレイクでは、管理者や職場リーダーに必要な50の行動(リーダー行動50)を提唱し、管理者・リーダーシップ向けの研修やマネジメント力に関する診断・テストなどを通じて、リーダー行動の強化を支援しています。ここでは「リーダー行動50」を一つずつ紹介します。


No.40「OJTの評価」 ~育成のゴールとプロセスを確認する~

 

 

 

■「OJTの評価」とは

OJTの評価とは、育成目標の達成度とOJT計画の活動プロセスを振り返り、次に生かすこと。
メンバーのOJT が終了したら、育成のゴールとプロセスを評価して、次につなげることが大切です。リーダーは、育成目標の達成度と活動プロセスを振り返り、リーダー自身の指導も振り返ります。両者の面談では納得感を高めて成長課題へつなげます。
■「OJTの評価」のチカラを高めるには?

1.育成目標の達成度と活動プロセスを振り返っている

  • OJT 期間が終了したら、リーダーとメンバーのそれぞれが、次を振り返る
  • 「何の能力が、いつまでに、どのレベルまで到達した?」という育成目標に対する達成度
  • 「達成した(しなかった)要因は?」「活動中に何を学び得た?」という活動プロセス

2.リーダー自身の指導を振り返っている

  • リーダーも自分自身の指導について、次の観点から振り返る
  • 「育成目標やOJT 計画は的確だったか?」「指導内容・指導方法は効果があったか?」
  • 「次の指導に向けて、何を・どう改善するか?」も考え、今後の指導に役立てる

3.面談ではメンバーの納得感を高め、今後の成長課題へつなげている

  • OJT の評価面談では、先にメンバーの自己評価を聞き、その後リーダーが評価を伝える
  • 両者の評価にギャップがあるときは、事実をもとに認識の違いを埋める
  • メンバーが今後学びたいこと、支援・助言して欲しいことを聞き、成長課題へつなげる

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斎田真一(かえる先生)

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リーダー行動50の紹介 No.39「コーチング」

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No.39「コーチング」 ~考えや主体性を引き出す~

 

 

 

■「コーチング」とは

コーチングとは、メンバーの気づきを促して考えや主体性を引き出す指導技術。
メンバーの成熟度が高まってきたら、ティーチングを減らし、メンバーの考えや主体性を引き出すコーチングに切り替えます。リーダーは、メンバーに考えさせる姿勢を貫き、気づきや答えを促す質問を行い、話を共感的に理解します。
■「コーチング」のチカラを高めるには?

1.メンバーに考えさせている

  • 考える力がついたメンバーに最初から答えを与えては、成長させることができない
  • 答えはメンバーの中にあるという思想のもと、メンバーに考えさせ、答えを我慢して待つ
  • どうしても答えが出てこないなら、考える視点やヒントを与え、少しずつ答えに導く

2.メンバーに気づきや答えを促す質問を行っている

  • 気づきや答えを促す質問を行い、メンバーの気持ちや考えを整理させる
  • なに?なぜ?どのように?などの「開いた質問」で、自由に答えさせる
  • いつ?どこ?だれ?どれ?などの「閉じた質問」で、ポイントや優先順位を考えさせる

3.メンバーの話を共感的に理解している

  • 不安を解消し自信をつけさせるためには、メンバーの話を共感的に理解する傾聴が大切
  • メンバーが答えているときは、次に言い返す言葉を探すのではなく、積極的に全力で聴く
  • 不安や悩みを受容し、最低限の励ましと助言を行い、前向きになるのをじっと待つ

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リーダー行動50の紹介 No.38「ティーチング」

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No.38「ティーチング」 ~仕事を教え込む~

 

 

 

■「ティーチング」とは

ティーチングとは、仕事の重要さ、進め方、知識・技能などをメンバーに教え込む指導技術。
成熟度が低いメンバーを指導するときは、仕事をじっくり教え込むティーチングを行います。リーダーは、仕事の重要さや進め方を説明し、自ら手本を見せてメンバーにやらせてみます。また、メンバーのタイプにあわせてティーチングのやり方を柔軟に変えます。
■「ティーチング」のチカラを高めるには?

1.仕事の重要さを説明している

  • メンバーに仕事を教えるとき、仕事の重要さを2つの側面から説明する
  • 一つめは、その仕事はチームにどう貢献するか
  • 二つめは、その仕事はメンバーにどんなメリットがあるのか

2.仕事の進め方や知識・技能をわかりやすく教えている

  • 説明する段階では、まず全体像を示し、次に一つずつ進め方や知識・技能を説明する
  • やらせる段階では、まずリーダーが手本を示し、次にメンバーに練習させたり任せる
  • 確認する段階では、メンバーを観察したうえで、メンバーと理解度・習得度を話し合う

3.メンバーのタイプにあわせてティーチングのやり方を柔軟に変えている

  • メンバーのタイプは大きく分けて「感覚派」「理論派」「実践派」「協調派」の4つ
  • 「感覚派」は体験させてから詳しい説明を、「理論派」は資料で説明してから体験させる
  • 「実践派」は目標・裁量・達成感を与え、「協調派」は一緒に取組み見守る姿勢を示す

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リーダー行動50の紹介 No.37「動機づけ」

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No.37「動機づけ」 ~意欲を高めて行動につなげる~

 

 

 

■「動機づけ」とは

動機づけとは、メンバーの意欲を高めて行動につなげるために、働きかけること。
メンバーの意欲を高め、行動につなげ、成果をあげさせるためには、動機づけが大切です。リーダーは、メンバーが何に動機づくかを知り、動機が高まる言葉を投げかけ、行動しやすいように環境を整えます。
■「動機づけ」のチカラを高めるには?

1.メンバーが何に動機づくかを知っている

  • 「二要因理論」を参考に、日ごろの会話や観察からメンバーが何に動機づくかを把握する
  • 例えば、チーム方針、作業条件、給与、人間関係が満たされないほど意欲が下がる
  • 一方、仕事のやりがい、責任、達成感、承認・称賛が満たされると意欲が上がる

2.メンバーの動機が高まる言葉を投げかけている

  • メンバーに仕事を依頼するときは期待を添え、仕事を終えたら感謝や労いの言葉をかける
  • 成果やプロセスの振り返りでは、良い点と改善点ともにフィードバックする
  • メンバーが大切にしている考えを盛り込むと自尊心を満たすことができる

3.メンバーが行動しやすいように環境を整えている

  • メンバーがぶつかりそうな障害を先回りして取り除く
  • 例えば、ミスしそうな点を先に教える、参考資料を渡しておく、周囲にサポートを頼む
  • 成果発表の場をつくる、相談にのれる先輩をつけるなど、行動を促進する環境も整える

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リーダー行動50の紹介 No.36「OJT計画の立案」

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No.36「OJT計画の立案」 ~計画的・重点的に職場で教育する~

 

 

 

■「OJT計画の立案」とは

OJT(On the Job Training:職場内教育)計画の立案とは、仕事に必要な能力を重点的に習得させるための計画を立てること。
メンバーの能力を効率的に高めるためには、計画的なOJT が大切です。リーダーは、適切な指導者を選定し、仕事に必要な能力を重点化して、様々な指導方法を組み合わせたOJT計画を立案します。
■「OJT計画の立案」のチカラを高めるには?

1.適切な指導者を選定している

  • 指導者の選定基準は、自覚・責任・人柄にすぐれ、知識・技能・経験を持つ人
  • 指導者が本来業務に忙しいなら、副指導者を選定する
  • チーム全員で教える仕組みをつくることも有効

2.仕事に必要な能力を重点化している

  • 仕事に必要な能力をあれもこれも強化すると、どれも中途半端になりがち
  • そこで、強化する能力を重点的に選ぶ
  • 選んだ能力を、どの順番に強化させるかを並べることも大切

3.指導方法を組み合わせて相乗効果を生んでいる

  • 映像・テスト・実技・マニュアル改訂など、相乗効果を生み飽きさせない工夫をする
  • メンバーの成熟度に応じ、ティーチング(教え込む)とコーチング(引き出す)を変える
  • OJTに、Off-JT(Off the Job Training:職場外教育)、自己啓発を組み合わせる

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リーダー行動50の紹介 No.35「育成目標の設定」

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No.35「育成目標の設定」 ~育てるゴールを明らかにする~

 

 

 

■「育成目標の設定」とは

育成目標の設定とは、一定期間後にメンバーの能力が高まった状態と実施している仕事内容や成果を定めること。
メンバーの育成目標があると、育てるゴールが明らかになり、指導内容も重点化することができます。リーダーは、メンバーの理想像を描く一方で、現在の能力を把握し、メンバーの育成課題を形成して、これらを総じて育成目標とします。

■「育成目標の設定」のチカラを高めるには?

1.メンバーの理想像を描いている

  • メンバーの理想像は、組織や上司からの期待とメンバー自身が目指す姿を総合して考える
  • 組織からの期待とは組織が示す能力や役割、上司からの期待とは期待する仕事や成果など
  • メンバー自身が目指す姿は、能力・仕事・キャリアの希望を面談や日常会話から把握する

2.メンバーの現在の能力を把握している

  • 能力は、知識(しっている)、技能(できる)、態度(やろうと思っている)
  • リーダーは、観察したり、他者からの意見を聞いたりして、メンバーの能力を把握する
  • メンバーのこれまでの経験、学習スタイル、価値観なども把握すると、指導に生きる

3.メンバーの育成課題を形成している

  • メンバーの理想像と現在の能力とのギャップを埋める育成課題を形成する
  • 何の能力を、いつまでに、どのレベルまで、どのように強化するかの目標を設定する
  • 育成手段は、OJT(職場内教育)を中心に、Off -JT(職場外教育)・自己啓発を入れる

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リーダー行動50の紹介 No.34「リスク管理」

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No.34「リスク管理」 ~予防や発生時の対処を管理する~

 

 

 

■「リスク管理」とは

リスク管理とは、好ましくない事態(リスク)が発生しないよう予防すること、または発生を想定して事前に対処すること。
リスクを放置すると、問題が発生・拡大したり、予期せぬ副作用が生じたりします。リーダーは、リスクを洗い出して優先づけ、予防策と対処策を策定し、実行・評価・改善します。

■「リスク管理」のチカラを高めるには?

1.リスクを洗い出して優先づけている

  • 多方面から情報を収集・分析し、あらゆる可能性を考慮しながら、リスクを多く洗い出す
  • 情報にもとづく論理的な洗い出しだけでなく、経験にもとづく直観的な洗い出しも行う
  • 洗い出したら、発生確率とリスクが与える影響度から、リスクを優先づける

2.リスクの予防策と対処策を策定している

  • 優先度の高いリスクについて、次の5つの観点から予防策・発生時の対処策を策定する
  • 1発生させない、2発生確率の低減、3発生時の影響度の低減、4第三者に転嫁、5受け入れ
  • 新たなリスクが想定されるときは追加策を考え、リスクがなくなれば策定リストから外す

3.リスクの予防策と対処策を実行・評価・改善している

  • 予防策・対処策を実行するとき、ヒト・モノ・カネ・時間が浪費しすぎないよう注意する
  • 予防策でリスクは生じなかったか、対処策でリスクは解消・軽減されたかを評価する
  • 予防策・対処策の結果について要因を分析し、改善する

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リーダー行動50の紹介 No.33「解決策の立案」

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No.33「解決策の立案」 ~好ましい方向へ向かう具体策を立てる~

 

 

 

■「解決策の立案」とは

解決策の立案とは、問題を好ましい方向にするための具体策を立てること。
解決策の良し悪しは問題解決に大きく影響するため、斬新な解決策、具体性のある解決策、限られた資源の中で優先的に着手する解決策の立案が大切です。リーダーは、解決策をいくつも考え、具体性を追求し、優先的に着手する解決策を選びます。

■「解決策の立案」のチカラを高めるには?

1.解決策をいくつも考え出している

  • 解決策がひとつだけでは効果性に疑問。行動しながら他の解決策を考えるようでは非効率
  • 解決策を立案する段階で、「他の解決策は? 他の解決策は?」といくつも考え出す
  • 一つの解決策から他の解決策を連想するのも効果的

2.解決策は具体的である

  • 解決策が具体的でないと行動に移すことができない
  • 解決策を考えついたら、「どのように? どのように?」と具体性をつきつめる
  • いくつもの解決策を時系列でつなぎ、ストーリー仕立てにするのも効果的

3.優先的に着手する解決策を選んでいる

  • 複数の解決策を考えたら、資源に限りがある中、優先的に着手する解決策を選ぶ
  • 選ぶ基準は、効果性(効果はどれくらいか)、費用性(コストはどれくらいか)
  • 実現性(実行・実現できるか)、リスク可能性(別の問題が噴出しないか)も考慮する

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リーダー行動50の紹介 No.32「原因分析」

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No.32「原因分析」 ~本質的な原因から解決の方向性を見つける~

 

 

■「原因分析」とは

原因分析とは、問題を引き起こしている本質的な原因をつかみ、解決の方向性を見つけること。
問題を発見して課題を形成しても、原因がわからないと解決につながりません。リーダーは、原因をいくつも考え、また原因を深堀して、問題に強く影響を与える本質的な原因をつかみ、解決の方向性を見つけます。

■「原因分析」のチカラを高めるには?

1.原因をいくつも考え出している

  • 原因は一つだけとは限らず、複数の原因が絡みあって問題を引き起こすこともある
  • そこで、「他の原因は? 他の原因は?」といくつも考え出す
  • その際、原因にモレやカタヨリがないように、切り口・分類基準に注意する

2.原因を深堀している

  • 原因分析が浅いと抜本的な解決ができない
  • そこで、一つの原因を取りあげ、「なぜ? なぜ?」と原因のさらなる原因を探る
  • チームの風土・規範、メンバーの心理・能力まで深堀りし、本質的な原因を探る

3.本質的な原因をつかんでいる

  • 原因分析では、問題に対して特に強い影響を与えている本質的な原因をつかむ
  • 原因が複雑にからみ合っている場合は、できれば、影響の度合いを数値で把握する
  • 悪循環のもとや解消すると各方面に良い影響を与えることが本質的な原因となりえる

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リーダー行動50の紹介 No.31「課題形成」

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No.31「課題形成」 ~解決すると決めた問題に意思を込める~

 

 

 

■「課題形成」とは

課題形成とは、問題を解決しようと決めて、言葉にすること。
いくつかの問題が見つかっても、資源に限りがあれば、すべて解決することは不可能です。解決しようと決めた問題のことを課題といいます。リーダーは、問題を解決するか・しないかを考え、課題の優先度を決めて、課題を決意ある言葉にします。

■「課題形成」のチカラを高めるには?

1.問題を解決するか・しないかを考えている

  • 問題を発見したら、「解決するか」「解決しないか」から考える
  • 判断基準は、①解決する資源の有無、②解決しないときの問題拡大リスク、③波及効果
  • これらの基準をクリアした問題こそ、解決すると決めた問題すなわち「課題」である
2.いくつもの課題があるときは優先度を決めている
  • 課題がいくつもある場合、重要性と緊急性で振り分け、優先度の高い課題から解決する
  • 重要性とは、あるべき状態にどれくらい貢献するかの度合い
  • 緊急性とは、期日がさし迫っている度合い

3.課題を決意ある言葉にしている

  • 課題がぼんやりしては、メンバーに伝わらず、チームで取り組むことができない
  • 課題は、解決への決意を込めて、「何を、どうする」という言葉で表す
  • その言葉を、強い意思をもって関係者に説明する

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