ひと月終えて(2019年04月)

<かえる先生>

今年の新入社員は、良い意味で真面目ですね~

<育成担当のアメンボさん>

そうですか!それは良かった!!

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■真面目な新入社員像

4月は、新入社員向けの研修を各地で実施させていただきました。

管理者や職場リーダー向けが中心の私にとって、新入社員向けの研修は、この時期だけの風物詩といえます。

毎年実感するのは、「今年の新入社員は真面目ですね」という言葉の曖昧さと無責任さです。

かくいう私もつい使ってしまうのですが、真面目とはどのような状態なのだろう…と、言葉にした後に自問自答します。

「真面目ですね」と言われる新入社員の人物像は、堅実・実直で、思考力が高く、それなりの協調性があり、成果物の質も良く、年配への振る舞い方が上手いといった共通点がありそうです。

他方、自分の考えを積極的には発信せず、失敗を恐れて主体的に行動しないといったネガティブな意味も含めて「真面目ですね」と言われている気がします。

「真面目」という言葉には、高い評価や期待が込められている一方で、皮肉を意図することもあるのでしょう。皮肉と悟られないように、また、皮肉ではないということを意図して「”良い意味で”真面目ですね」と発したりします。

■「真面目」を要素分解すると

新入社員研修において「真面目」を要素に分けると…

・受講態度と学習意欲
・理解・行動と成果

などに分類されるのでしょう。

なかでも、受講態度と学習意欲は具体的に…

・マナーを守っているか
・メモをとっているか
・寝ている人がいないか
・積極的に発言しているか
・講師に質問に来るか

といったところでしょうか。

また、理解・行動と成果は具体的に…

・講義内容を分かっているか
・演習の指示を守っているか
・個人ワークを真剣に取り組んでいるか
・グループワークで協力して行動し成果につなげているか

といったところでしょか。

各項目を5点満点で評価し、一定水準に到達すれば、「今年の新入社員は真面目ですね」という言葉に妥当性が出るのかもしれません。

■便利な言葉「真面目」の本当の意味

こうした評価は、人材アセスメントでは重要です。しかし、こうして評価しても、総括すると「真面目ですね」という言葉に落ち着いてしまうぐらい、「真面目」という言葉は、便利で、認識を一致しやすく、挨拶代わりに使われるマジカルワードです。

「真面目」を発している人も、聞いてうなづいている人も、頭と心の奥底には、過去の新入社員と比べて相対的に真面目といっているのかもしれません。現代の世間一般の若者に比べて相対評価しているのかもしれません。

ただ、「真面目」を辞書で調べると、本当の姿、真価、真心を込めること、誠実なこと、本気であること、嘘や冗談でないこととあります。

この「真面目」の意味を真面目に受け止めれば、真面目という言葉を便利に使っている私は、意味を微妙に取り違えた”不”真面目な人間なのかもしれません。

真面目を科学し、また、真面目以外の適切な用語を探索したいと思う恒例の4月でした。

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<かえる先生>

「真面目」という言葉だけでは無責任だと思いますので、新入社員の様子を100項目に分けて得点集計し、80点以上を「真面目」とします。ここにデータがありますので一つひとつ説明しますと…

<育成担当アメンボさん>

「真面目」、だけでいいです。

 

kaeru-sensei

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斎田真一(かえる先生)

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