職場リーダーのための「説得・交渉力研修」
「職場リーダーのための説得・交渉力研修」を受講した皆さん、研修おつかれさまでした。
昨年受講した方が今年も参加してくれました。「昨年と同じ解説をする箇所もありますよ」といったところ、「大丈夫です。もう一度受けたいと思ったので」という返事が。
まったく頭が下がる思いです。同じ研修に何度も参加できる会社制度と職場の協力にも感服します。
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■求められる全人格と善人格
説得や交渉力は、スキルでは片づけられない全人格と”善”人格が求められるのかもしれません。
信頼関係をもとに、互いに意図を交換・共有しあい、双方が満足できる妥結点に導くという、当たり前のようでとても高度な性質です。
なんといっても基本は意図の発信です。相手を尊重する一方で、自分の想いや考えを素直に、そして論理的かつ情緒的に主張します。このアサーティブな姿勢は本当に難しい。
そもそも意図を整理できない。何が理想なのか、何をしたいのか、相手に何を求めるのか、自分は何を譲れるのか…。メンバーの期待を一身に背負った全権リーダーが、部門間の話し合いで言いくるめられるように。
意図を整理しても言語にすることが難しい。うまい言葉が見つからず、言葉を紡ぐことにも難儀して、言葉が相手にうまく伝わりません。下手な主張に主張を重ね、相手に反駁してくださいと言わんばかりに砲弾を渡しているように。
相手に理解されても、自分の主張を聞き流されると虚しさや憤りを感じます。説得・交渉における主張とは、それほど魂がこもっており、魂をこめる必要があるのです。
■こだわりがわからない
自己主張ですらこの状態ですから、相手の主張を正しく共感的に理解しようとするのは、大河を木の葉で渡るぐらい困難です。言葉の応酬で流れはどんどん激しくなり、どこにたどり着くのか、浮いているのか沈んでいるのかすらわからなくなります。
主張の違いが明らかになったとしても、本当に対立している点は心の底にあったりします。なのに、奥底の”こだわり”がこれまたわかりづらい…。
その人なりの捨てきれないこだわりの”糸”があり、それが自動織機に入り込み自分模様の”機”を織る。部下を守るはずだった上司が、いつの間にか職場と自分の体裁を守っているように。
こだわりは人によって違います。状況が変われば色合いも変化します。他者から知恵を付けられ援助を受けようものなら、もう独りだけのこだわりではなくなります。信念をもって事業を行っていた零細企業が、うまい儲け話や金融支援に色めきだった末路のように。
他者の利害まで背負い、理論で武装された亡者は、槍をぶんぶん振り回します。誰のために戦っているのか、何を背負っているのかもわからなくなって。
■リターンマッチ
この後に控えている「利害調整」は、戦況を見守るだけでいつまでたっても出番が訪れません。苔が生えた竜宮城で、おかしな玉手箱に煙をたんまり詰め込んでいます。
頭も体も疲れ果て、何を言っているのか何をしているのかわからなくなり、痛み分けや数の論理など、わかりやすいカタチで休戦協定が結ばれます。休戦協定が結ばれず空中分解する者たちもいます。そして、戦利品なのかわからない玉手箱を手にします。
戦いに疲れた手で玉手箱を開けると、大量の煙の中からやつれた自分が現れ、虚無感に涙します。そして戦士は、善人でありたいという思いを覆い隠し、もっと良い玉手箱を手にするためリターンマッチに備えます。
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こうしてトレーニング型の研修が始まり、研修が終わりました。
今年も受講してくださった方が歩み寄ってぽつり。
「”共有”とは何か、よくわかりました」
皮膚感覚で繰り返し学び続けた方の、重みある一言です。
■皆さまの活躍を応援しています。
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株式会社トレイク(TRAIC.Ltd)
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斎田真一(かえる先生)
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